国立台湾大学 大学院留学 出願体験記②

 こんにちは、2020年秋から国立台湾大学(NTU)の修士課程に進学するまつうらんどです。当記事はNTU修士課程への出願課程を記した第2弾です。
第1弾はこちらからご覧できます。

台湾の学生ビザの取得方法に関する記事はこちらからご覧いただけます

 さて、前回の記事では僕自身のバックグラウンドと出願はどのように行ったのかをつらつらと書きました。今回は、なぜNTUの修士課程に出願・進学することに決めたのかを書いていきたいと思います。
2019年8月に、京都大学大学院農学研究科にも合格していましたし、こんなにトイレがきれいでお湯がすぐに出る国はなかなかないのにそこから出ていくのですからそれなりに理由があります。
もちろん、アジア圏の大学院に正規留学しようと考える方は多くないのは承知なので、ニッチな人が書く、ニッチな人向けの記事になります。

それでは早速本題に入っていきましょう。

日本から出たかった
 まず一つ目。僕は高校生まではそんなに海外志向が強いわけではなかったのですが、大学に入ってからいくつかの国に滞在する機会があって、日本を客観的に見る機会が多くなったんですね。
そうすると日本の良い面と同時に悪い面が沢山見えてきたんですが、困ったことにその悪い面というのは構造的な問題で個人で対処しきれるものじゃなく、どうしたものかと辟易していたのです。
そこで、日本の大学院と学べることが近くて国・文化を変えて勉強することができるなら日本から出ていこうと思うようになったというのが一連の流れです。(農業経済学、ひいては経済学では修士課程でコースワークと言って、ある程度世界的に学ぶ内容が定まっています。ミクロ経済学、マクロ経済学、計量経済学という3分野です)

教授陣が米国で博士を取得した人ばかり
 これは自分が将来的にアメリカで博士課程に挑戦したいという目標があるうえでの話ですが、NTUの教授がアメリカの大学院で博士を取得している人がほとんどなので、大学内にアメリカ博士課程の実情を知っている人が多い環境だと自分も挑戦しやすいかなと思ったからです。
また、カリキュラムも世界の潮流に沿ったカリキュラムが開講されているので、台湾で学ぶことは特に不利に働かないであろうと考えたからです。

アジアが好き
 そもそも僕は東アジアと東南アジア、ひいてはアジア全体に帰属意識を持っています。それはこれまでの経験上、フィリピンでの交換留学・卒論のためのフィールド調査や大学内で中国・韓国からの留学生と接することが多かったことからきていると思っています。
 そして日本はアジアの中でどういう風に見られているのか、今後世界やアジアの中でどう立ち回っていくべきなのかを、日本人としてなるべく客観的に考えるために一回外に出てみようと考え、日本と歴史的にも深いかかわりのあって、農業経済学を高いレベルで専攻できる国として台湾を選ぶことにしました。
 また、アジア圏の料理は基本的に僕は今まで苦手な料理にあたったことがほぼなく、食生活の面でも台湾は充実して精神的にも安定して勉強・研究に打ち込めそうと考えたのです。
 卒論に引き続き、修士論文でもフィリピンかアジアのどこかの国について研究できればと考えているので、研究フィールドが近いというのは、研究の実現性の点でも非常に良いと思ったのです。

英語で講義が開講されている
 これは将来博士をアメリカでとるときの緩衝材として、単に英語を普段から使用する環境を得られるとしてという単純な考えです。
京都大学での指導教官もアメリカの大学院で博士課程を修了しているのですが、彼女から「もし国際機関で働きたいのなら、日本の大学院を出ているだけじゃ箸にも棒にも掛からぬ」という言葉をいただいたので、日本以外で英語のカリキュラムで勉強しようという思いを強くしました。
台湾大学は明確な英語の試験の点数基準を設定していませんが、TOEFL80, IELTS6.5ほどあれば十分なのではないでしょうか?(あくまで体感です)
私のTOEFLの点数をあげた記事についてはこちらからご覧いただけます。


留学して学位をとるという憧れとそれに対する後悔をしたくなかった
 実はアメリカの博士にダイレクトに行きたかったんですね。なぜならアメリカが僕の専門では世界の最先端で、その博士課程には世界中から優秀な人が多く集まるからです。母国日本とは違う環境で鍛錬してみたい。そういう思いがありました。
しかし客観的に考えて、合格する可能性は今の自分の実績、成績、語学力を考えると、限りなくゼロに近い。
それではどうするか?
実際、日本の修士でいい成績を取って論文を出版してから出願すれば、どこかの大学院が僕を受け入れてくれるかもしれないという考えもありました。
しかし、未来というのは不確実性が高いもので、万が一日本の修士に進んだとして、Ph.D.留学が行えるかはわかりません。
でも海外で学位をとるというプロセスは経験してみたかったし自分にとって未知の環境で、もがくというのはいろいろな面でプラスになるはずだという直感的なものがありました。そして台湾で修士を取った後に日本で修士を取った後と同様にアメリカの博士に出願するというのも全然できることなので、今回学位留学のチャンスがあるならば、今行動した方が後悔しないかなと自分なりに考え、台湾での学位留学に踏み切ったのです。

 以上が僕がなぜNTUの修士課程に進学することになったかの主な理由です。
もし似たようなことを考えている方がいたら、「ああ、自分のこの考え筆者に近いかも!」などと参考になれば幸いです。
次回の記事ではNTUでのカリキュラム・進学後の計画について書いていきたいと思います。
アジア圏での大学院留学を考えている人に少しでも参考になればと思いながら本記事の筆をおきます。

以下、私のおすすめ記事がご覧いただけます!
アジア大学院留学 まとめ:① 香港編
アジア大学院留学 まとめ:② 北京大学編
アジア大学院留学 まとめ:③ 台湾編

引用文献
“Top Universities.” Top Universities. QS Quacquarelli Symonds Limited. Accessed February 23, 2020. https://www.topuniversities.com/.

筆者がフィリピンにて行った調査風景です
(筆者撮影 2019年9月)

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