ドイツの大学に雇用されながらPhD留学する話〜応募方法編①〜

こんにちは。ドイツの某大学で、雇われながらPhD留学をしております、i_love_riceと申します。

前回に引き続いて、主に大陸ヨーロッパで見られる「Job型PhD課程」について投稿していきます。第二回は、応募方法について書いていこうと思います。「Job型PhD課程」の給料や働き方について書いた前回の記事は、こちらからご覧ください。

1. 前提

1.1. 出願というより応募

まず前提として知っておいていただきたいのが、「Job型PhD課程」は進学すると同時に雇用されることになるため、大学院に出願するというよりも、ポストに応募するというイメージであるということです。仕事内容や応募資格、採用人数等が書かれた募集要項があり、それにCV(履歴書)や推薦状などをオンラインで提出して応募し、その後、何度か面接をしたのちに採用が決まるというのが主な流れになります。

前回の記事で、「大学のPhD課程に学生として在籍しつつ、大学などの研究プロジェクトの一員として数年間雇用される形で研究」をすると書きました。順序としては、まず大学などの研究プロジェクトのポスト(PhD課程の学生向け)に応募し、採用された段階で、受け入れ予定の大学のPhD課程に応募するという流れです。プロジェクトに採用されていれば、余程のことがない限り大学院のPhD課程には(ほぼ自動的に)合格できるため、本記事では、どのように研究プロジェクトのポストに応募し、どのような選考過程を経るのについて書いていきます。

1.2. 競争率

前回の記事でも触れましたが、多くの大陸ヨーロッパの大学のPhD課程の学生は、①研究プロジェクトに雇用されて、プロジェクトの研究員としての給料をもらう(「Job型PhD課程」または「プロジェクト採用」)、②教授などに直接雇用されて、RAやTAの対価として給料をもらう(「チェア採用」)、③奨学金などの外部資金を調達する、という3つのいずれかの方法で生活しています。ちなみに留学生向けの奨学金としてはDAADが有名ですが、DAADについてはhaikarasanの以下の記事がご参考になるかと思います。

プロジェクト採用、チェア採用、自己資金それぞれについての競争率は大学や分野によって大きく変わるかと思いますが、プロジェクト採用の競争率は相対的に高いと思われます。というのも、研究プロジェクト予算は限られており、一つの(サブ)プロジェクトに対してPhD課程の学生が1~2人雇われるという場合がほとんどであり、限られた採用ポストの数に対して応募が殺到することが予想されるためです。

フランクフルト中央駅のプラットフォーム。ドイツの駅に改札はありません。

2. 応募方法

前置きが長くなってしまいましたが、「Job型PhD課程(プロジェクト採用)」の応募方法を書いていきます。

2.1. タイムライン

まず「Job付きPhD課程」のポスト応募から採用までの簡単なタイムラインを並べると、以下のようになります。

  • 夏頃〜:募集がHPなどに掲載 → 書類準備
  • 9月頃〜11月頃:応募締め切り
  • 12月頃〜2月頃:(書類審査が通過した場合)面接 → 採用通知
  • 4月以降:渡航

募集時期は研究プロジェクトによって大きく異なるので、このタイムラインはあくまで私が知っているポストをもとにしている点にご留意ください。

2.2. 応募資格

内容に入る前に、応募条件(資格)について簡単に触れます。応募条件は募集要項のようなところに書かれており、その内容はプロジェクトによってまちまちですが、ある程度共通して言えることとして、①修士修了または修了見込み、②研究経験(学部や修士での研究を含む)、③英語(または現地語)でのコミュニケーション能力、が挙げられるかと思います。もちろん例外はあるはずで、修士号は持っていないが、研究機関で勤務していたためにそれと同等の研究経験を持っているということで、「Job型PhD課程」に在籍している方を実際に知っています。

2.3. 募集ポスト探し

一般的には公募ポストに応募することになっていて、HP上に掲載されたポストに対して、応募します(基本的にオンライン)。募集要項には、プロジェクト内容・仕事内容・待遇・応募条件(学歴や研究経験、スキルなど)といった情報が書かれています。

先述の通り各プロジェクトごとにPhD課程の学生を若干名(1~2名ほど)しか雇用しないことが多いので、いかに自分の経歴と研究関心にあったポストを見つけられるかが鍵になります。どのように募集ポストを探すのかというと、、、

⓪全く参考にならない体験談

まず、私の参考にならない体験談をご紹介します。

私の場合、全部で3つのポストに応募することができたのですが、そのうち二つは同じ分野の研究をしている情報通の友人が教えてくれたものでした。持つべきものは友です。また残り一つは、昨年に大規模な募集があったためにHPをチェックしていたところ、欠員が出たプロジェクトの募集を見つけることができ、応募に至りました。しかし実を言うと、そのポストももともとは同じ友人が昨年教えてくれたものでした。彼が諜報機関のスパイだったと聞いても、特段驚くことはないでしょう。

①公募ポストを専用サイトから見つける

ここからが本論になります。実をいうと渡独後に、とてもわかりやすく「Job付きPhD課程」での研究や応募について紹介された記事(以下、前回も紹介)を偶然見つけることができました。バイオ系の「チェア採用」としてドイツのPhD課程に在籍されている方が書かれた記事で、応募の経緯や応募方法が詳しくまとめられています。

研究は好きだけど博士進学に迷いがある?ドイツに来ませんか?

この記事によれば、PhDの公募ポジションを検索できるサイトとして、例えばドイツに関しては以下が紹介されています。

PhD Germany – Database

②修士課程のうちから興味のある研究室に所属し、同じ研究室のPhD課程に進む

修士課程で留学をすると、多くの場合そこの研究室でRAなどで働くことができるので、「Job型PhD課程」の公募情報(近隣の大学や研究室を含む)が多く入ってくると思います。一般に「Job型PhD課程」は公募から受ける必要がありますが、コネクションが選考で有利に働くこと可能性は高いでしょう。また「チェア採用」はだいたいどこの研究室も行っているので、自分の関心に合う「プロジェクト採用」のポストが見つからない場合でも、コネクションを生かして「チェア採用」でPhD課程を始めるという選択肢も広がると思います。

③興味のある大学やつきたい教員に直接問い合わせる

つきたい大学教員がいる場合や、所属したい研究室がある場合は、直接教員にコンタクトを取り、「自分をPhD課程の学生として迎え入れ、かつ雇用してくれないか」と聞いてみても良いかもしれません。その教員が自分のプロジェクトでPhDの学生を雇う予定があれば、いつ募集があるのか教えてくれるでしょうし、もしも「プロジェクト採用」のポストがないにしても、「チェア採用」を検討してくれるかもしれません。


応募方法②に続く

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