英語圏留学に必要な単語力①

こんにちは、ロンドン大学SOASの開発学部に修士留学をしていたJ.S.です。

「プロゴノス:人文・社会科学系×海外大学院留学プラットフォーム」というブログですが、私は日本の大学院に在籍しながら出願し、既に留学を終えて帰国しています。

ここでは、自分の留学を経験をもとにした記事をぼちぼち載せていこうと思います。

今回は、

  • 社会科学・人文系の大学院留学を検討していて、ある程度キチンと勉強したい
  • 社会科学・人文系の大学院留学を予定していて、ある程度キチンと勉強したい

という方たちに向けて、

  1. 単語力(量&質)を強化することの重要性
  2. 留学に必要な単語量の目安
  3. 自分の単語量を知る方法
  4. 単語の質
  5. 実際にどう単語力を増やすか

について書きました。とりわけ英国留学を考えている方には、ぜひ読んでいただきたいです。

英語圏留学に必要な単語力②はこちらからご覧いただけます。

1.単語力を強化の重要性

 まず、社会科学・人文系(経済学除く)で大学院留学する場合単語力(質&量)を強化することが大事です。もちろん、自然科学系でも大事ですし、そもそも英語力を全般的に上げることも大事です。ただ、ネットにある記事などではボキャブラリーの重要性を指摘しているものはあまりないので、ここで強調しておきます。とりわけ英国留学では要注意です。というのも、アメリカ留学のように単語量を要求するGREがないので、単語力を強化しないまま留学できてしまうからです。

 では、なぜ社会科学・人文系(経済学除く)は、単語力を強化することが大事かそれは、自然科学と違い、基本的に数式を使わずに「言葉の世界(言葉で勝負する世界)」だからです

 この点、若手時代にアメリカ留学を経験した社会学者の上野千鶴子は、自分の経験から面白い指摘をしています。この指摘から、社会科学・人文系(のアカデミア)がいかに「言葉の世界」なのかがわかります。

数学のような普遍言語のある学問であれば話は別かもしれませんが、社会科学や人文科学は、アイデアが優れているとかコンセプトがいいというだけでは十分ではない。一流かそうでないかの差は、言語的なパフォーマンスのデリバリーの能力の差なんです。

https://www.enago.jp/drueno/

 

 また、個人的な体験からも社会科学・人文系は「言葉の世界」なんだ、と感じました。

 社会科学・人文系の論文や書籍を読んでいると、レトリックがよく出てきます。たとえば、論文の中で、a beacon of hope / treasure trove of documents / lurking behind the guise of / under the banner of といったような表現が平気で出てきます 。(ちなみに、「topic sentenceのみ読んで、他は読み飛ばす」というテクニックもありますが、topic sentenceにもこういう表現が出るので、毎回辞書を引くと時間がかかる可能性もあります。)

 このような「言葉の世界」では、単語力がないと、早く正確に読めないし、ちゃんと聞き取れないし、早く正確に書けないし、ちゃんと話せないです。たとえば、argueとclaimはともに「〜〜と主張する」ですが、ニュンアンスは全く異なります。argueは「理由を挙げて主張する」というニュアンスがある一方で、claimは「主張内容の真偽が定かではないが主張する」になります。また、日本語の辞書では、「be anxious to do」「be eager to do」は、どちらも「〜を切望している」と訳されますが、ニュアンスが全く変わりので、書く際には注意が必要です。

 ちなみに、人文社会科学系と自然科学の求められる英語力の違いに関しては、他にも指摘している方(米国PhD関連)がおられます。

人文社会科学系は自然科学と違って、数学ができればある程度何とかなるという類のものではないから、特に英語についてはシビアだと考えた方が良いだろう。

http://penguinist-efendi.hatenablog.com/entry/2017/08/06/125009

なんとなく、社会科学・人文系(経済学除く)では単語力(質&量)が大事なんだ、と思って貰えたら嬉しいです。

2. 留学に必要な単語量は約8000-14000語

 では留学前にどの程度の単語量が必要か?

 結論から言うと、目安として「約8000-14000語」です。この最低ラインの「8000語」というのは、「日本の難関大学に合格した時点から、さらに2000語~4000語加えた語数」です(この点は、難関大学合格に4000~6000語必要、と指摘する東進のサイトを参照しました)。

 では、この目安の約8000-14000語は、どこから来たか?それは一連の研究からです。アカデミックな文章を理解・学習する(?)にあたって、約8000-14000語(正確にはword families)を理解できる必要がある、と言われています (Nation & Waring,1997; Hu & Nation, 2000; Nation,2006; Trenkic & Warmington, 2018)。詳細は、URLを参考にしてください。

 また、私自身「約8000-14000語」に関しては、自分の体験を通じて非常に納得しています。というのも、そのくらいないとスラスラ読めなかったからです。

 留学前の私はIETLSのReadingで8.5を記録しており、その時の単語力は6500-7000語程度でした。しかし、いざ留学してみると、課題で出される論文の単語がわからず、読むのにメチャクチャ苦労しました。ある論文では、わからない単語・言い回しが、なんと100語以上もありました。課題を多く課されている中で、読むスピードが遅くなってしまい、非常にストレスも溜まり、大変でした。

 そして、いまは語彙力は10000語程度になったのですが、論文や新聞記事を読む事がだいぶ楽になりました。例えば、Wall Street Journalを比較的スラスラ読めるようになります(とはいえ、まだ1つの記事を読む中で、確認のためにも、数回程度辞書を引くこともあります)。この経験から、留学前に10000語程度わかっていたら、もっと楽に読めて、もっと留学を楽しめただろうな、と思っています。

3. 自分の語彙力を知るには、TEST YOUR VOCABULARY

 さきほど、記事の中で自分の語彙力が「6500-7000語程度」や「10000語程度」と書きましたが、それはTEST YOUR VOCABULARYというサイトで測った数字です。自分の現状の単語力を測るには、このサイトがオススメです(http://testyourvocab.com/)。言語学者が作ったこのサイトを訪れると、単語のチェックリスト(2ページ分)があり、それに答え終わると、有り難いことに、おおよその語彙力がわかります。

 ここで自分の語彙力・語彙数をチェックすることで、現状の語彙数と留学に必要な語彙数とのギャップを知り、それを学習計画に役立てると良いかと思います。 ちなみに、このサイトによると、ネイティブは20000~35000語を理解できるそうです。(^^)

次回、「単語の質」と「実際にどう単語力を増やすか」についてはこちらからご覧ください。

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